ながらく更新が出来なくて大変申し訳ございませんでした。ようやく我がサイドカーが完成しましたのでその
詳細をレポートします。
ウレタンで整形したバイク側の外装をもとに型を起こしました。バイク側はアッパー、アンダー、シートカウルの
3分割仕様で形成されます。型にFRPマットを張り込み乾燥中の型はまるで成虫になる前の「さなぎ」のようです。
乾燥が終了した型から成虫、いやカウル
を取り出しました。上手く抜けるか心配で
離型材をたっぷり塗ったのでカウルにも
青く残ってしまいました。でも水に溶けるので
問題ないのですが、仕上げる仕事が増えて
しまいました。
とりあえず生地完成!ここまでが長かった!でもこれからが大変で、塗装もしなければならないし、改造申請
もあるし、とにかく最後の仕上げというのは細かい箇所が多くてまだ時間がかかると思います。
それよりも自分のモチベーションをいかに保つかが最大の課題だと思います。
デザインの自由度を上げるためにガソリンタンクをシート下に移設しました。このタンクは当社コンプリートバイク
「GLUGLU850」のタンクですが、13リットルしか入らないので少しでも多くするため赤斜線部を増量加工をしました。
給油口も新規に製作してシート後部に設置しました。タンクキャップはGSX−R750のエアープレーン
タイプにしました。
車体を設計する際どこにどれだけ応力がかかるか等を検討しながら設計をするのですが、実際走行した場合、机上では
わからない部分が多々あり、実走させ車体にストレスを与えてどこに集中するか、分散しているのかを計測して机上
で考えていた部分と、実走時のずれを確認しなければなりません。その方法として代表的なものが金属の歪み量を測定し
て応力を検討する「歪み測定」です。車体各部にセンサーを取り付けて急制動や、8の字旋回などを行い測定します。
実際に測定してグラフを見ると、だいたい予想通りの結果でしたが、カー側のサスペンションはダブルウイッシュ
ボーン式で旋回時にリードがあるため若干引きずられる分いまいちな結果なので、ロアーアーム、アッパーアームを補強
しました。再度測定して見たところ問題のない値になったのでこれでOKです。
車体の歪みと応力の関係を話すとすご〜く長くなるのでこの辺でおしまいにしたいと思います。
とりあえず走って壊れない車体が出来たと思います。後は基本ディメンションを設定して車検取得後、長いテストをし
たいと思います。
完成予定デザインです、こんな感じに仕上がればいいと思います。心配なのが当社の塗装ブースにカーが
入るかが心配なのですが何とか頑張ってペイントしたいと思います。
ベースカラーのガンメタリックを塗ってマスキングしているところです。オートバイのように左右対称
ではないので意外と楽なマスキングでした。
完成した車両が下の写真です。車名は「Emerge」エマージ、意味は「現れる、出現する」という意味で
まったくゼロから作ったのでこんな名前がいいかなと思い、名付けてみました。
こんなのが出来ました!これからテスト走行が始まります。今のところ基本セッティングだけですが、かなり
いい感じです。発進時のカー側に取られる感じが無く、スムーズに走り出します。時速60キロぐらいで
ギヤをニュートラルにして手放しで惰性で走行しても変にハンドルが取られることもなく真っ直ぐ走って
くれました。ある意味感動しました。構想から完成まで約2年、休日はず〜〜〜っとこいつにかかりっきり
だったのでまるっきりダメだったら落ち込んでしまいますよね。いいところもあるのですが悪いところも
ありましたので、これからテストして改善していきたいと思います。
とりあえずテストを兼ねたツーリングに箱根でも行ってみます。

2006年4月号のミスターバイクBGに
エマージがカラーで掲載されています
ので見て下さい。

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