ドマーニに乗って、後付サイドカーとの違いに感動し、ついに私(中村)専用の新型サイドカーを
作る事を決意しました。サイドカーはとても奥が深くとても楽しい乗り物です。
子供の頃、キカイダーを見てサイドカーに興味を持ち父に話したら「俺も昔乗ったことがある」と
いって母に「昔おまえも乗ったよな」と言ったところ、母は「私知らないよ、私じゃないんじゃない」
とつれない返事。楽しいはずの食卓が険悪な感じになったことを子供心に感じました。
そんな事はどうでもいいのですが、それから20才(学生)の頃ようやく夢が叶いました。
友達の板金工場でたいした加工技術も無いけど試行錯誤し、Z400Tに自作サイドカーを作り、取り
付けて走った時の感動は今でも覚えています。当時私は千葉県自動車技術専門学校に通っていて自動車
の勉強をしていたので、車はアライメントの調整でかなりフィーリングや癖が変えられるのを知って
いました。これはサイドカーにも応用出来ると思い、自分のサイドカーに各部調整機構を取り付けてトーイン、
キャンバー調整を繰り返し行ったところ、それまで手放しで走れなかったものが手放しで真っ直ぐ走る
ようになりました。これは結構感動ものでした。 その後、そのサイドカーには悲しい運命が待っていました。
私がソロで乗るため3ヶ月ぐらいサイドカーを外して置いていたのですが、また取り付けて走ろうと思ったと
ころ見あたらず「父ちゃん俺のサイドカーは?」と聞くと父は「捨てたよ、もう乗らないかと思った」ま〜捨
てられるようなレベルの出来だったんですけどね・・・。別れは突然やってくるものです・・・。
それから20年位の時が流れ、ひょんな事で昔から気になっていた
ヨシオカ製のサイドカーが手に入り「またサイドカーに乗りたい!」
という思いが沸いてきちゃったんですよ。
今では当時とは比べものにならないぐらいの加工技術、設備もあるの
で、今度こそ「捨てられないサイドカー」を作ることにしました。
出来上がったのが上の写真のFJサイドカーです。
初めはバイク側はノーマルだったのですが、ハンドルが重いのでアー
ルズフォークに変更、どうせ作るのだから4輪のホイールを使った方
がかっこいいので前後片持ちに変更しました。
仕事じゃないので休みの日にコツコツ作業をしていると、乗りたい
気持ちが先に立って作業が荒くなってしまいましたが意外といい感じ
に仕上がったと思います。サイドカー車検も取得したので3人乗りで
高速もOK、子供や友達と乗れてなかなか楽しい乗り物です。
左の写真は私の下の娘で真冬に遊びに行ったのですが、寒くないら
しくて昼寝はするは、コンビニでアイスは食べるはでなかなか楽しい
ツーリングが出来ました。
その後、調整をするために試乗を繰り返していたのですが、タイヤが
太いのとアライメント調整幅が少ないため、サイドカーの癖が顕著に
でてしまうのです。そんなときに藤島さんからドマーニをお借りする
機会がありまして、さっそく試乗したところ癖のなさに大変な衝撃を
受けました。「何が違うんだ!もうこれは専用設計で作るしかない」
一大決心をしました。
次へ
サイドカーTOP