伊藤昌弘の部屋
一般整備担当の伊藤昌弘です、まず下の写真を見て下さい。ベースは
何だと思います?カブですよ、車名は「GirynoAny」(ギリナォア〜ニュイ)
私はある日夢を見ました、イタリアに旅行したときバレンティーノロッシが
ワインディングで転倒しているところを助けてそれからつき合いが始まりました
そして彼には妹がいてしかも美人!私たちは結婚することになりました。
私はロッシに「君は私の義理の兄になったんだよ」そしたら彼は「ギリナォア〜ニ」
と一生懸命日本語でしゃべってくれました。
それが車名の由来です。(すべて夢の中の出来事です)何となくイタリアっぽい
感じがしませんか?下の写真では簡単な仮付けですが、だんだんかっこよくなって
きますので楽しみにして下さい。
コードネームは「ギリ」、この製作は極秘に進行させて後でみんなを
びっくりさせようと思いました。なぜなら周りは「だっせー!」とか
「カッコ悪り〜!」などと絶対言う!。それで休みの日に一人でや
ろうと思ったのですが、うちの社長休日は自分のサイドカーやバイク
をいじっているので速攻でばれてしまいました。そこで社長に話をす
ると「いいね!やれば」「うちはあまり小さいのやらないから良いん
じゃない、協力するよ」とやさしいお言葉!。これは絶対裏に何かあ
ると思いましたが、横から文句は言わないそうなので始めることにし
ました。
作業を始める前に、私はじっくりベース車両を眺めます。
結構これが楽しくて手元にあるのはカブのフレームだけなのですが
頭の中でフレームはいろいろな形になっていき、足廻りはどうだとか
エンジンはどうだとか妄想にふけっていました。そのとき後ろから
社長が一言、「サスは伊藤ちゃんが持ってるV-MAX用のオーリンズ
にすれば!、絶対かっこいいから使いなよ、インパクトあるし」のお
言葉。そうだ、あれを使おう!その時素直に喜んでいた私はあとで愕
然とさせられます。まさかうちの社長はそんなことを考えていたなん
て・・・。本当にひどい人だと思いました・・・。
この話は後でお話しします。
フレームを眺めていて思ったのですが、カブは不要なステーが多いのでまずスムージングすることから始めました。
意外といい感じになってきてあらかた出来上がってきたのですが、スイングアーム、タンクをどうしようとひとり
悩んでいると社長は言いました。「ひげの魔法使いを呼べば」あ!そうだ、ひげの魔法使いをべば良いんだ!
「いいこと言うじゃないですか社長!、ひげ呼びましょう」
ひげの魔法使いこと高坂治を呼ぶのは頭で想像すると出てくるのでございます。ほら出てきました!(1)。
(高)「伊藤さんどうしたの?今、練(子供です)と遊んでいたらいきなり呼ばれてびっくりしたよ」。
(伊)「治君いま、ギリを作ってところなんだけどタンクやスイングアームが大変なんですよ、何とかなる?」
(高)「じゃ、コーヒー一本で何とかしてあげるよ。」これでタンクとスイングアームが出来上がる、早速
サンクス(コンビニ)にコーヒーを買いに行こうとしたところ社長は犬のような目をして自分にも買ってき
て欲しい見たいな感じでしたが、それを無視してひげの魔法使いの分だけを買ってきました。
早速作業に入った魔法使いは旋盤やフライスを使い給油口や付随するパーツを削りだし、アルミの板を切り
溶接してハイご覧の通り、アッという間にアルミタンクが完成しました。スイングアームもパイプを切って
つなげてこれもハイ完成!。金属を魔法のように形にしてしまう男、それがひげの魔法使い高坂治です。
魔法使いのおかげで大まかな車体が
出来上がりました。寸法を確認して
設計通りに出来ているのでエンジン
の製作に入ります。エンジンはモン
キーでピストンを交換して各部点検
後ブラック塗装を施しました。エン
ジンをブラックにすると全体的に締
まって見えていい感じじゃないですか。
細かい部品を作り組立に入ろうとしたところ、サイドカーを作っていた
社長が「塗装どうするの?まさか缶スプレーで塗るの?!」(伊)「そ
うですよ、だって簡単じゃないですか。」(社長)「じゃ、ウレタンで
俺が綺麗に塗ってあげるよ、それの方が艶もいいし長持ちするし。」
(伊)「本当ですか!ありがとうございます。ブラストかけて準備して
おきますので適当に塗って下さい。色は黄色でお願いします」これで塗装
も問題ないしもうすぐ完成します。でもちょっと変だ!社長が自分から
何の見返りもなくやってくれるのはちょっとおかしい・・・。
そんな考えが頭をよぎりましたが、それもつかの間。出来上がりが楽しみ
ですっかり忘れてしまいました。
見て下さい!塗装が終わったフレーム綺麗な黄色でしょ!俺の思った通りの色
じゃないですか!「なんて愛しい形をしているんだろう。イトシイシト」。
(ロードオブザリングのゴラム風に)。俺の魂を鷲掴みするようなギターサウ
ンドを奏でるギターリスト、スティービーレイボーン風に今の気持ちを表して
みたりして一時間ぐらい遊んでいたところ、しびれをきらした魔法使いが
「そんな事してないで早く組み立てようよ!俺は帰って子供の世話をしないと
いけないんだから!」と怒られてしまいました。そこで急いギリを組み立て、
今後のアドバイスをもらい帰っていただきました。
さっきからおとなしくサイドカーを作っていた社長がギリを眺めていた私に
やさしい声で「伊藤君、ギリに使ったオーリンズのサス、一本あまったでしょ、そ
れ売ってくれないかな〜?超安く!サイドカーのフロントに付けたいんだよね、
塗装もしてあげたしな〜。」やられた!これだったんだ、あのとき社長がオー
リンズを使うことを薦めたのは自分が使いたいために、一本使わせれば一本余って
自分のものにしようとする策にはまってしまった!
結局泣く泣く譲ることになりました・・・。
いろいろありましたが、完成した「GirynoAny」(ギリナォア〜ニュイ)を見て下さい。意外とまとまった
ミニバイクが出来ました、まさかこれがホンダC50(CUB50)とは言わなければ判らないと思います。タン
クや、マフラーの感じもいいと思いませんか。ライトは判らないと思いますがHID仕様ですよ、特に気に入って
いるスイングアームとサスの躍動感!大満足です。社長がうちで作ったオートバイに乗ると友達が出来るよとお
客様に話してるのがよくわかります。信号で止まるととなりにライダーがいれば必ず声をかけられます。「これ
はなに?」「どこで作ったの?」とか。とにかく注目度抜群な「GirynoAny」(ギリナォア〜ニュイ)!
最近私の兄貴が通勤車両として使っているので乗る機会が少なくなってしまったのですが、兄貴が経営している
「和屋」というラーメン屋さんの前に置いてあるので興味のある人は見に行って下さい

今回製作したのは通称「小ギリ」次は「中ギリ」検討中です。プランがまとまったらまた掲載しますので楽しみ
にして下さい。カスタムページにも掲載しますので見て下さい
このお話は半フィクションです。作業工程は現実にはそれなりの時間が必要ですのでその旨ご了承下さい。

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